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犬のレプトスピラ症とは?初期症状・感染経路・ワクチンの必要性を解説

犬レプトスピラ 初期症状

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犬のレプトスピラ症ってどんな病気?
川遊びやドッグランに行くけれど感染しないか心配

近年、愛犬の散歩やお出かけに不安を感じる飼い主は、決して少数派ではないようです。

レプトスピラ症は、ネズミをはじめとする野生動物の尿を介して感染する細菌性の感染症です。発熱や食欲不振などの初期症状から始まり、重症化すると腎不全や肝不全を引き起こすこともあります。また、愛犬が感染すると、飼い主にも感染するリスクは否定できません。

この記事では、犬のレプトスピラ症の感染経路や初期症状、致死率について詳しく解説します。ワクチンの必要性や川遊び、ドッグランで注意したいポイントも紹介します。愛犬とのお出かけを安全に楽しむためにも、レプトスピラ症の正しい知識と予防方法を身につけておきましょう。

目次

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犬のレプトスピラ症とは?

犬のレプトスピラ症は、レプトスピラ属菌によって引き起こされる動物由来の感染症です。日本国内でも毎年発生が報告されており、近年は川遊びやアウトドア人気の高まりとともに再び注目されています。

初期症状は風邪や胃腸炎と似ているため、レプトスピラ症を見逃してしまう飼い主も少なくありません。しかし、重症化すると命に関わるケースもあるため、適切な判断と早急な対応が求められます。まずはレプトスピラ症がどのような病気なのかを確認していきましょう。

レプトスピラ症は細菌による感染症

ネズミなどの野生動物からレプトスピラ属菌という細菌が排出され、体内に入り込んで感染するとレプトスピラ症を発症します。犬が汚染された水を飲んだり、傷口や粘膜から菌が侵入したりすると、レプトスピラ症の感染率はさらに上昇します。

レプトスプラ属菌は河川や沼、水たまりなど湿った環境を好み、長期間生存できるのが特徴です。特に、梅雨や台風シーズンなど雨量が増える時期は、レプトスピラ属菌が広がりやすくなるため注意が必要です。

犬から人にも感染する人獣共通感染症

レプトスピラ症は、人獣共通感染症(ズーノーシス)の1つです。感染した犬の尿や体液に触れることで、人へ感染する可能性があります。

ただし、日常生活において、過度に心配する必要はありません。感染した犬の排泄物を処理する際には手袋を使用し、処理後は手洗いを徹底しておくだけでも感染リスクは抑えられます。

愛犬の健康を守るだけでなく、家族の健康を守るためにも正しい知識を身につけておきましょう。

近年再び注目されている理由

近年、犬のレプトスピラ症が再び注目されています。

理由の1つは、アウトドア人気の高まりです。犬連れキャンプや川遊び、グランピングなどを楽しむ家庭が増えたことで、水辺や自然環境へ出かける機会が増加しました。

また、野生動物の生息域拡大や都市部への出没も増えており、ネズミなどの保菌動物との接触リスクも高まっています。そのため、以前よりもレプトスピラ症を身近な感染症として捉える必要があるのも事実です。

犬のレプトスピラ症の発生状況

近年は全国各地でレプトスピラ症の発生報告が続いています。特に、川遊びやアウトドアレジャーが盛んな地域では、注意喚起が行われるケースもあります。

ここでは、レプトスピラ症が注目される背景や発生しやすい環境について解説します。

2025年にレプトスピラ症が注目されている理由

近年は、「レプトスピラ症 犬 発生状況2025」というキーワードで検索する人が増加しています。

その背景には、SNSやニュースなどで感染事例が取り上げられる機会が増えたことが挙げられます。また、犬と楽しめるアウトドア施設が増えたことで、飼い主の感染症への関心も高まっていると言えるでしょう。

レプトスピラ症自体は、決して新しい病気ではありません。しかし、犬とのアクティブな生活を楽しむ家庭が増えたことで、再び注目されている感染症となっています。

大阪・兵庫・京都など関西でも注意喚起されている

レプトスピラ症は、関東以西で感染が多い傾向にあり、関西では犬のレプトスピラ症に対して注意喚起されています。実際、大阪府内では2017年10〜11月に犬レプトスピラ症によって、感染が疑われた11頭のうち9頭が死亡した事例が報告されています。

大阪府内で,平成29年10〜11月に,合計11頭の犬レプトスピラ症を疑う症例の届出があり,そのうち9頭が死亡した.疫学調査の結果から,8頭が同じ河川敷を散歩コースとしており,4頭の飼い主は同じ町内に居住していた.

引用元:大阪府内で発生した犬レプトスピラ症集団発生事例|日本獣医師会雑誌

都市部であっても河川敷や公園、草むらにはネズミなどの野生動物が生息しています。そのため、「都会だから安全」とは言い切れません。

特に、河川沿いの散歩コースやドッグランを利用する場合は、水たまりや泥水を飲まないよう愛犬への注意が欠かせません。

レプトスピラ症が発生しやすい環境

レプトスピラ属菌は、高温多湿の環境を好みます。そのため、次のような場所では感染リスクが高まります。

レプトスピラ属菌の感染リスクが高い場所
  • 川や池
  • 流れの少ない水辺
  • 沼地
  • 水たまり
  • 湿った草むら
  • 野生動物が多い場所

犬連れ旅行や川遊び、キャンプなどのアウトドアでは、愛犬が汚れた水を飲まないよう目を離さないことが重要です。

犬のレプトスピラ症の感染経路

レプトスピラ症を予防するためには、「どのような経路で感染するのか」を正しく知っておく必要があります。感染経路を知っておくことで、川遊びやドッグラン、旅行先でも感染リスクを抑えやすくなります。

ネズミなど野生動物の尿から感染する

レプトスピラ属菌の最も代表的な感染経路は、ドブネズミをはじめとする野生動物の尿です。レプトスピラ属菌を保有する野生動物から排出された尿に、レプトスピラ属菌が存在しています。

1970年代前半までは、年間50人以上もの人がレプトスピラ症によって命を落としていました。近年、日本各地の土壌環境は大きく改善され、人への感染は激減しています。

しかし、愛犬がレプトスピラ属菌を含む尿で汚染された土壌や水に触れると、レプトスピラ症を発症するリスクが高まります。特に、ネズミは主要な保菌動物として知られているため、野生動物が多い環境では注意しておかなくてはなりません。

参考:レプトスピラ症|大阪府

川・池・沼・水たまりから感染することがある

川や池などの水辺に潜む細菌は多岐にわたり、感染リスクが高い場所の1つです。レプトスピラ属菌も同様、特に流れが少ない河川や停滞した水には、細菌が残りやすい傾向があります。

外出先で目を離した隙に、愛犬が水を飲んだり水中で遊んだりしてしまうと、感染する恐れは否定できません。そのため、遊びに行った先で川遊びを楽しむなら、水質だけでなく川の流れが滞っている場所や川辺の草むらなど、周囲の環境にも注意しておきましょう。

土壌や泥から感染するケースもある

レプトスピラ属菌は。湿った土壌や泥の中でも生存できる細菌です。犬が泥遊びをしたり、傷のある足で汚染された土壌を歩いたりすると感染するケースもあります。

特に、雨上がりの散歩では、菌が広がりやすい環境となっているため注意が必要です。

外出前だけでなく、普段から愛犬の体に傷がないか確認するのを意識しておくと、レプトスピラ症のリスクを軽減できます。また、川遊びや水遊びをしたあとは、お風呂に入って汚れを落とすことも意識しておきましょう。

犬から犬へ感染することはある?

レプトスピラ症は、犬から犬へ直接感染するケースは多くありません。

しかし、レプトスピラ症は目・鼻・口などの粘膜からも感染します。そのため、感染犬の尿に触れたり、同じ場所で排泄したりすると、感染する可能性があると言えます。

感染した犬が無症状のままレプトスピラ属菌を含んだ尿を排出しているケースもあり、他の犬へ感染する可能性はゼロではありません。散歩やドッグラン、多頭飼いでは感染予防を意識し、衛生管理を徹底しておきましょう。

犬から人へ感染することはある?

レプトスピラ症は、犬から人へ感染する可能性があります。感染した犬の尿や体液に触れた場合、傷口や粘膜から菌が侵入して人も発症する恐れがあります。

ただし、適切な衛生管理を意識していれば、過度に恐れる必要はありません。愛犬の体調不良時は動物病院へ相談し、排泄物の処理後は必ず手洗いを行いましょう。

犬のレプトスピラ症の初期症状

レプトスピラ症に感染したからといって、感染直後に重症化するとは限りません。初期症状は風邪や胃腸炎と似ているため、見逃されるケースもあります。

しかし、早期発見は重症化を防げる可能性を高めます。川遊びやドッグラン、キャンプなどのあと、もしも体調に変化が見られた場合は注意しましょう。

発熱・食欲不振・元気消失

レプトスピラ症の初期症状として多く見られるのが、発熱や食欲不振、元気消失です。

普段は元気に散歩へ行く犬が急に寝てばかりになったり、大好きなおやつを食べなくなったりする場合は要注意です。また、発熱によって体がだるくなるため、飼い主とのコミュニケーションを避けるような行動を見せることもあります。

これらの症状は、風邪や胃腸炎などでも見られるため見逃されやすい傾向があります。しかし、川遊びやドッグラン、キャンプなど自然の多い場所へ出かけた後に体調不良が見られた場合は、レプトスピラ症の可能性も考慮し、動物病院を受診しましょう。

嘔吐や下痢が続く

レプトスピラ症が進行すると、嘔吐や下痢などの消化器症状が現れることがあります。

レプトスピラ属菌が体内で増殖すると全身に炎症反応が起こり、胃腸にも影響を与えるためです。軽い胃腸炎と似た症状から始まることもあり、飼い主が異変に気付きにくいケースもあります。

特に、何度も嘔吐を繰り返したり、水のような下痢が続いたりすると脱水症状につながるため、早めに動物病院を受診しましょう。

尿の色が変化することがある

レプトスピラ症では腎臓や肝臓に障害が起こるため、尿の色や量に変化が現れることがあります。

通常よりも濃い黄色や茶色っぽい尿が見られたり、血尿が混じったりするケースもあります。また、尿量が極端に減る場合は腎機能が低下している可能性も考えられるでしょう。

尿の異常は病気の進行を示すサインの1つです。発熱や食欲不振と併せて見られる場合は、レプトスピラ症を含む重大な疾患の可能性もあるため、速やかに獣医師へ相談しましょう。

潜伏期間はどれくらい?

犬のレプトスピラ症の潜伏期間は、一般的に4〜12日程度と考えられています。

感染してもすぐに症状が現れるわけではなく、川遊びやアウトドアレジャーから帰宅して数日後に体調不良が始まるケースもあります。そのため、感染源との接触に気付かないことも少なくありません。

「先週は元気だったのに急に体調を崩した」という場合でも、数日前の川遊びやキャンプが関係している可能性があります。お出かけ後1〜2週間は食欲や排泄、元気の有無を普段以上に観察することを心掛けておきましょう。

犬のレプトスピラ症が重症化した場合の症状

レプトスピラ症は、初期症状の段階で適切な治療を受ければ回復が期待できる感染症です。しかし、発見が遅れたり治療開始が遅れたりすると、レプトスピラ属菌が全身へ広がり、肝臓や腎臓などの重要な臓器に深刻なダメージを与えることがあります。

特に、重症化した場合は黄疸や出血症状、急性腎不全、肝不全など命に関わる症状が現れることもあります。愛犬の命を守るためにも、どのような症状が危険なサインなのかを知っておきましょう。

黄疸

レプトスピラ症が重症化すると、黄疸(おうだん)が見られることがあります。

黄疸とは、肝臓の機能が低下することで血液中のビリルビンという色素が増加し、目の白い部分や歯茎、耳の内側、皮膚などが黄色く見える状態です。犬は被毛に覆われているため気付きにくいものの、歯茎や白目を確認すると異変に気付ける場合があります。

犬のレプトスピラ症による歯茎の黄疸画像

また、黄疸が現れる頃には肝臓へのダメージが進行している可能性が高く、食欲不振や嘔吐、元気消失などの症状も強く現れる傾向があります。

黄疸はレプトスピラ症だけでなく、肝疾患や胆のう疾患でも見られる症状です。しかし、川遊びやアウトドア後に発熱や食欲不振とともに黄疸が見られた場合は、速やかに動物病院を受診することが重要です。

出血症状

レプトスピラ症が進行すると、出血症状が現れることがあります。

これは、菌による炎症や臓器障害によって血液凝固機能に異常が生じるためです。具体的には、歯茎からの出血や鼻血、血尿、血便などが見られることがあります。

また、皮膚の下に小さな赤い点状出血が現れる場合もあります。出血症状は病状がかなり進行しているサインであり、放置すると命に関わる危険な状態へ発展する可能性があると考えておきましょう。

「少し血が混じっているだけだから大丈夫」と自己判断するのは危険です。特に、発熱や元気消失など他の症状を伴う場合は、緊急性が高いケースもあるため早急に獣医師へ相談しましょう。

急性腎不全

犬のレプトスピラ症で、最も注意したい合併症の1つが急性腎不全です。

レプトスピラ属菌は腎臓に強いダメージを与えることで知られており、重症化すると腎機能が急激に低下することがあります。腎臓は体内の老廃物や毒素を尿として排出する役割を担っているため、機能が低下すると全身状態が急速に悪化します。

急性腎不全の特徴は以下の症状です。

犬の急性腎不全の特徴
  • 尿量が減る
  • 水を飲まなくなる
  • 嘔吐が続く
  • 食欲がなくなる
  • 強い脱水症状が現れる
  • 貧血症状が出る
  • 痩せたり毛艶が悪くなったりする

さらに進行すると老廃物が体内に蓄積し、尿毒症を引き起こすこともあります。急性腎不全は命に関わる重篤な状態であるため、早期発見と早期治療が非常に大切です。

参考:腎不全|一般社団法人 日本臨床獣医学フォーラム

肝不全

レプトスピラ症は腎臓だけでなく、肝臓にも大きな影響を与えます。

肝臓は栄養素の代謝や解毒など生命維持に欠かせない臓器です。しかし、レプトスピラ属菌によって肝細胞が損傷すると、正常な機能を維持できなくなることがあります。

肝不全が進行すると、次のような症状が現れます。

犬の肝不全の特徴
  • 元気や食欲が減退
  • 嘔吐や下痢が続く
  • 他飲多尿になる
  • 黄疸症状がみられる
  • 食後に沈鬱・壁に頭を押し当てるなどの肝性脳症

また、重症例では神経症状や意識障害、激しい肝破裂の症状が見られることもあります。肝不全は急激に悪化するケースもあるため、異変に気付いたら早急な対応が必要です。

レプトスピラ症の致死率は?

レプトスピラ症の致死率は、感染した血清型や犬の年齢、体力、治療開始までの時間などによって大きく異なります。そのため、一律に「致死率〇%」と断言することはできません。

ただし、腎不全や肝不全を発症するほど重症化した場合は、死亡リスクが高まるといわれています。特に、高齢犬や持病のある犬は、レプトスピラ属菌への対策や症状に注意しておく必要があります。

一方、レプトスピラ症を発症しても初期症状の段階で発見し、適切な検査と治療を受けることができれば回復するケースがあるのも事実です。

レプトスピラ症で最も重要なのは、愛犬の様子から発熱や食欲不振などの異変に早く気付き、早期に受診することです。

「レプトスプラは致死率が高い病気だから怖い」と、過度に不安になることではありません。愛犬との川遊びやドッグラン、アウトドアを楽しむ際は、帰宅後に体調チェックの実施を習慣化するのが大切です。

犬のレプトスピラ症の診断方法

レプトスピラ症は初期症状が風邪や胃腸炎と似ているため、症状だけで判断することは困難です。発熱や食欲不振、嘔吐などが見られても、他の感染症や内臓疾患と区別がつきにくいケースがあります。

そのため、レプトスピラ症が疑われる場合は動物病院での検査が必要です。川遊びやドッグラン、キャンプなどの後に体調不良が見られた場合は、いつ・どこで遊んだかも含めて獣医師へ伝えると診断の参考になります。

血液検査

血液検査は、レプトスピラ症の診断で最初に実施されることが多い検査です。

レプトスピラ属菌に感染すると、肝臓や腎臓に大きな負担がかかることがあります。そのため、血液検査では貧血や炎症反応の有無に加え、肝機能や腎機能に高値となる異常が出ていないかを確認します。

また、血液検査は脱水や出血の有無、全身状態の把握に欠かせない検査です。レプトスピラ症そのものを確定診断する検査に至らなくとも、病気の重症度を判断する重要な手掛かりになります。

参考:犬のレプトスピラ症|洋光台ペットクリニック

尿検査

尿検査では、腎臓への影響や尿中の異常を確認します。

レプトスピラ属菌は腎臓にダメージを与えることがあるため、尿蛋白や血尿、尿比重の変化などが見られる場合があります。また、感染した犬の尿には菌が排出されることもあるため、尿検査は診断の参考情報となる重要な検査です。

特に、尿の色が濃くなったり、血尿が見られたりする場合は、血液検査と併せて実施することで、より正確な診断につながります。

参考:犬のレプトスピラ症について|葉山まほろば動物病院

PCR検査

PCR検査は、レプトスピラ属菌の遺伝子を検出する検査です。

感染初期の段階でも診断できる可能性があり、レプトスピラ症の確定診断に役立ちます。血液や尿を検体として検査を進め、菌の遺伝子が検出されれば感染が強く疑われます。

ただし、すべての動物病院で実施できるわけではありません。犬のレプトスピラ症におけるPCR検査は、ケーナインラボや食環境衛生研究所など、外部の専門機関へ検体を送って実施されるのが一般的です。

そのため、検査結果が出るまで時間がかかる場合もあります。すぐに確認できる検査結果をもとに、症状に合わせた初期治療とPCR検査の両方で治療を進めるケースが多くあります。

参考:感染症の検査|株式会社ケーナインラボ
参考:レプトスピラ検査|株式会社食環境衛生研究所

犬のレプトスピラ症の治療法

レプトスピラ症は早期に治療を開始できれば回復が期待できる感染症です。しかし、発見が遅れると腎不全や肝不全へ進行し、命に関わることもあります。

そのため、川遊びやアウトドア後に体調不良が見られた場合は、「そのうち治るだろう」と様子を見ず、早い段階で動物病院を受診しましょう。

抗生物質による治療

レプトスピラ症の治療では、主に抗生物質が使用されます。

レプトスピラ属菌は細菌のため、適切な抗生物質を投与することで菌の増殖を抑えることが可能です。感染初期に治療を開始できれば、重症化を防げる可能性も高まります。

ただし、症状が改善したように見えても。飼い主の判断で投薬を中止してはいけません。獣医師の指示に従い、処方された期間はしっかり愛犬に薬を飲ませることが重要です。

参考:レプトスピラ注意報!|渡辺動物病院

点滴や対症療法

レプトスピラ症では、抗生物質だけでなく対症療法が行われることもあります。

嘔吐や下痢による脱水が見られる場合は点滴によって、水分や電解質を補給します。また、腎臓や肝臓への負担を軽減するために、症状に応じた治療が実施されます。

レプトスピラ症は全身性の感染症であるため、菌を排除するだけでなく、体力の回復をサポートする治療も欠かせません。

重症化により入院が必要になるケースもある

重症化した場合は、入院治療が必要になることがあります。

特に、急性腎不全や肝不全を起こしている場合は、24時間体制による点滴管理や集中的な治療が必要です。また、出血症状や重度の脱水が見られる場合も入院治療が考えられます。

レプトスピラ症は治療開始が早いほど回復率が高まるため、初期症状を見逃さないことが重要です。

治療費の目安

レプトスピラ症の治療費は、症状の重さによって大きく異なります。

軽症で通院治療のみの場合は、治療費が数千円〜数万円程度ですむ場合もあります。一方、入院や集中治療が必要になると数万円〜十数万円以上かかるケースも少なくありません。

また、レプトスピラ症の治療は検査内容や地域によっても、費用が変動する傾向にあります。万が一の高額治療に備えるなら、愛犬のレプトスピラ症対策とペット保険加入の両面で対策しておくと安心です。

ペット保険は必ず加入すべきものではありません。ライフスタイルや経済状況など、各家庭で判断は異なります。以下の記事では、「FPの専門家視点によるペット保険の判断基準」を解説していますので、ぜひ併せてご覧ください。

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犬のレプトスピラ症ワクチンは必要?

レプトスピラ症の予防方法として、多くの飼い主が気になるのが「ワクチン接種」です。

しかし、「混合ワクチンは何種を選べばいい?」「ワクチン接種すればレプトスピラ症には感染しないの?」と疑問に思う方も多いことでしょう。

実際には、生活環境やお出かけの頻度によって必要性は異なります。ここでは、レプトスピラ症ワクチンの仕組みや混合ワクチンの種類の違いを解説します。

レプトスピラ症は何種混合ワクチンで予防できる?

レプトスピラワクチンは、6種以下の混合ワクチンには含まれていません。一方、7種以上の混合ワクチンならレプトスピラ属菌の予防が期待できます。

そのため、混合ワクチンを接種しているからと言って、レプトスピラ症を予防できるわけではありません。アウトドアの機会が少ない家庭では、5種や6種混合を選択するケースも多く、日頃から愛犬の健康や行動に気をかけておく必要があります。

一方、川遊びやキャンプ、山歩きなど自然の多い場所へ頻繁に出かける犬の場合は、かかりつけの獣医師から7種以上の混合ワクチンを勧められることもあるでしょう。

愛犬のワクチン接種には正解がありません。しかし、人の予防接種と同様、生活環境に合わせた選び方が大切です。

参考:犬の混合ワクチンについて~6種と8種の違い、予防できる病気と選び方~|ガレン動物病院

6種・8種・10種混合ワクチンの違い

犬の混合ワクチンは、予防できる病気の数によって種類が分かれています。一般的な6種混合ワクチンから、レプトスピラ症も視野に入れた10種混合ワクチンなど、どれを接種するかによって抗原の数が異なります。

犬 混合ワクチン

数字が大きくなるほど予防できる感染症は増え、接種する抗原も増加します。特に、8種や10種混合ワクチンでは、レプトスピラ症への予防が含まれていることから、アウトドア犬や猟犬などに推奨されるケースがあります。

ただし、採用しているワクチンの種類は動物病院によって異なるため、詳細はかかりつけの獣医師へ確認しましょう。

参考:犬混合ワクチンの変更について 追記|寺田動物病院

レプトスピラ属菌には多くの血清型が存在する

犬レプトスピラが含まれる混合ワクチンを接種したとしても、必ずしも予防できるとは限りません。レプトスピラ属菌は、250種類以上の血清型が存在するといわれています。

「A型インフルエンザの予防接種を受けたのに、B型のインフルエンザになった」というケースがあるように、血清型が異なる場合、ワクチンの効果が十分に期待できないことがあります。これは、人だけでなく犬にも当てはまる現象です。

レプトスプラ属菌を混合ワクチンで予防できるのは、250種類以上の中でも、ほんの一部の血清型のみです。そのため、10種混合ワクチンを受けていたとしても、日頃から愛犬の感染リスクを下げる行動も重要となります。

ワクチンは感染リスクを下げるための予防策

レプトスピラ症ワクチンは、感染そのものを100%防ぐためのものではありません。しかし、レプトスプラ属菌によっては、感染したときに重症化リスクを下げる効果が期待できるのも確かです。

特に、腎不全や肝不全など重篤な症状を防ぐためには、有効な予防策の1つと考えられています。

また、感染リスクが高い地域や環境へ出かける場合は、ワクチン接種による安心感も得られるでしょう。レプトスピラ症は命に関わることもある感染症だからこそ、ワクチンを含めた総合的な予防が大切だと言われています。

Venus☆Travel編集部が獣医師に聞いたレプトスピラ症ワクチンの考え方

レプトスピラ症について調べていると、「川遊びに行くなら8種混合ワクチンが必須」「レプトスピラ症が怖いから10種混合ワクチンにした方が良い」など、さまざまな情報を目にします。

そこでVenus☆Travel編集部では、実際に愛犬の混合ワクチン接種時に獣医師へ相談し、レプトスピラ症ワクチンについて直接話を聞きました。レプトスピラ症ワクチンで、すべての感染を防げないことは、ここまでに解説したとおりでした。

しかし実際に獣医師から教えてもらったことで、インターネット上ではあまり語られていない、現実的な考え方がわかりました。

レプトスピラ症ワクチンは継続した接種が必要

獣医師によると、レプトスピラ症ワクチンは一度接種しただけで、長期間効果が続くわけではありません。初年度は1回接種だけでなく、約1か月後に追加接種が必要となるケースもあるそうです。

さらに、翌年以降も定期的な接種を継続しなければ、十分な抗体価を維持することは難しいとのことでした。

ワクチン接種による副作用のリスク

犬用のワクチン接種にも、人と同じく副作用のリスクがあるとのことでした。そのため、8種や10種混合ワクチン接種による愛犬のリスクも、ゼロではないことを教えてもらいました。

長年地域で診療を続けている獣医師から、ワクチン接種の意味やリスクについて丁寧に説明を受け、納得して混合ワクチン接種の種類を判断できました。

獣医師の説明を受けたVenus☆Travelでは、8種や10種混合ワクチンの必要性を否定するわけではありません。そのため、アウトドアや川遊びが好きな犬ほど、かかりつけの獣医師と相談しながら接種計画を立てると良いでしょう。

川遊び・ドッグラン・アウトドアの感染リスク

混合ワクチン接種前には、獣医師からレプトスピラ症のリスクがある環境下で遊ばせる可能性について、再度確認されました。

【土の多い場所】草むら、ドッグラン、河川敷
【アウトドア】山、川、キャンプ場、沼地、野生動物の出没する場所

特に、夏場は流れの悪い川で遊ぶのも危険であることも含めて説明を受けました。

犬連れ旅行や川遊びが好きな家庭は、ワクチンだけに頼るのではなく、感染リスクの高い場所を理解したうえで遊ぶことが大切だと言えるでしょう。

Venus☆Travel編集部の考え|愛犬のライフスタイルに合わせて選ぶことが大切

今回、編集部の愛犬はこれまで通り6種混合ワクチンを選択しました。理由は、レプトスピラ症ワクチンが防げる血清型が限られていることに加え、混合ワクチンは種類が増えるほど副作用リスクも高まると説明を受けたためです。

獣医師の説明を聞いた今、Venus☆Travel編集部では「6種が正解」「8種が正解」と決めつけることではないと考えています。もちろん、頻繁に川遊びをしたり河川敷を散歩したりする犬なら、8種混合ワクチンを選ぶ価値は十分にあると言えるでしょう。

大切なのは、愛犬の年齢・健康状態・生活環境・旅行スタイルに合わせて、かかりつけの獣医師と相談しながら選ぶことだと感じました。

犬の川遊びで注意したい病気・感染症

川遊びは犬にとって夏の人気アクティビティの1つです。水辺で涼みながら運動不足解消やストレス発散ができるため、愛犬とのお出かけ先として選ぶ飼い主も多いことでしょう。

しかし、その一方で川や池、河川敷などの自然環境には、さまざまな病気や感染症のリスクも潜んでいます。特に、流れの少ない川や水たまり、野生動物が出没するエリアでは注意が必要です。

夏の川遊びを安全に楽しむためにも、代表的な感染症やトラブルについて知っておきましょう。

レプトスピラ症

レプトスピラ症は、川遊びで注意したい感染症の代表例です。感染したドブネズミなどの野生動物の尿によって汚染された水や土壌に接触することで、愛犬が感染する可能性があります。

また、レプトスピラ症は人獣共通感染症であり、愛犬が感染すると粘膜接触で飼い主に感染するリスクもあります。

主な症状
・嘔吐や下痢、発熱
・食欲不振や元気消失
・重症化すると腎臓や肝臓の症状

腎臓や肝臓は、生きるために必要な役割を果たします。初期症状は風邪に似ていますが、レプトスピラ症は早期発見が重要です。発熱や食欲不振、嘔吐などの症状が続く場合は自己判断で様子を見すぎず、早めに動物病院へ相談しましょう。

ジアルジア症

ジアルジア症は、小腸に寄生する原虫が原因の感染症です。ペットショップや保護施設などで感染率が高く、特に仔犬は高い確率で感染するといわれています。

その他、川や池などの自然水を飲んだ場合や、感染した動物の便に接触した場合も感染リスクは高まります。

主な症状
・下痢や軟便、粘液便
・体重減少や衰弱

一過性の症状で重症化することなく、回復に向かうことが多い感染症です。ただし、子犬や免疫力が低下している犬では、重症化することもあることも事実です。

川遊び中はできるだけ川の水を飲ませないよう飲料水を多めに準備し、帰宅後に下痢や体調不良がないか意識して観察しておきましょう。

参考:消化器症状を呈する感染症[ジアルジア]|動物医療センター元麻布

重症熱性血小板減少症候群(SFTS)

重症熱性血小板減少症候群(SFTS)は、マダニを媒介にして感染する病気です。人と犬の共通感染症のため、マダニ被害が拡大している近年、飼い主・愛犬ともに注意しておく必要があります。

主な症状
・発熱
・元気消失
・食欲不振
・嘔吐や下痢
・血小板減少による出血

草むらへ入った後はブラッシングで体表を確認し、耳や脇、足先などにマダニが付着していないか確認しましょう。万が一、マダニを見つけたときは焦らず動物病院へ行き、取り除いてもらってください。

参考:都内における犬の重症熱性血小板減少症候群(SFTS)発生に伴う注意喚起について|東京都

水中毒(低ナトリウム血症)

感染症ではありませんが、川遊びで意外と多いトラブルが水中毒(低ナトリウム血症)です。水を飲んだだけでと思ってしまいがちですが、「水の飲みすぎ」は命を脅かす可能性があります。

主な症状
・ぐったりする、落ち着きがない
・嘔吐
・ふらつきや歩行の乱れ
・けいれんや硬直
・意識を失う

プール・川でのボール遊びやレトリーブ遊びで大量の水を飲み込んでしまうと、体内の塩分濃度が低下し水中毒を起こすことがあります。

水中毒症は人にも起こりうる現象で、体の小さな犬の場合、身体の体液バランスの崩れから短期間で重症化しやすいのが特徴です。嘔吐や呼びかけに反応しにくくなったときは、早急に動物病院を受診しましょう。

参考:水を飲みすぎると危険?犬の『水中毒』に注意!|光が丘動物病院グループ

皮膚炎や外耳炎

川遊びの後は、皮膚炎や外耳炎にも注意が必要です。濡れた状態が長時間続くと、細菌や真菌が繁殖しやすくなります。犬は耳と皮膚がつながっているため、皮膚の炎症がそのまま耳のトラブルに直結するケースがあります。

特に、たれ耳や長毛種、皮膚が弱い犬は、皮膚炎や外耳炎への対策が欠かせません。

主な症状
・頭を振る
・耳をひっかく
・耳から臭いがする
・耳の中が湿ったり耳垢が増えたりする
・耳を触ると嫌がる

帰宅後はしっかりシャンプーやシャワーで汚れを落とし、耳の中や被毛を十分に乾かしてあげることが大切です。外耳炎は体の皮膚炎とは異なり、見た目だけで判断しにくいのが特徴です。

愛犬の症状に気づいたら、慢性化させないためにも早めの受診をおすすめします。

犬のレプトスピラ症でよくある質問(Q&A)

Q&A

レプトスピラ症は比較的認知度が低い感染症ですが、近年は川遊びやアウトドア人気の高まりとともに注目されています。ここでは、飼い主からよく寄せられる質問をまとめました。

レプトスピラ症はどの地域で多く発生していますか?

レプトスピラ症は全国で発生していますが、特に河川や湖沼、田畑など自然環境が多い地域で感染リスクが高まるとされています。

近年は関西や関東でも報告があり、大阪府や兵庫県など都市部でも完全に無縁とはいえません。感染したネズミなどの野生動物が生息していれば、どの地域でも発生する可能性があります。

そのため、「都会だから安心」「田舎だから危険」と考えるのではなく、川遊びやキャンプなどのアウトドア活動時には適切な予防を心掛けることが大切です。

レプトスピラ症の犬の致死率はどれくらいですか?

レプトスピラ症の致死率は感染した血清型や治療開始のタイミングによって異なります。

軽症で回復するケースもありますが、腎不全や肝不全を併発した場合は命に関わることがあります。海外の報告では重症例で20〜50%程度の死亡率が示されているケースもあります。

ただし、近年は診断技術や治療法の進歩により、早期発見できれば回復が期待できる病気です。川遊びやドッグランの利用後に体調不良が見られた場合は、早めの受診をおすすめします。

レプトスピラ症は冬でも感染しますか?

レプトスピラ属菌は高温多湿な環境を好むため、一般的には梅雨から秋にかけて感染リスクが高まります。

特に大雨や台風の後は、水たまりや河川が汚染される可能性があり注意が必要です。

一方で、菌は湿った環境で一定期間生存できるため、冬だから絶対に感染しないわけではありません。季節を問わず、川や池の水を飲ませないことや帰宅後の健康チェックを習慣化することが重要です。

まとめ|犬のレプトスピラ症は正しい知識と予防が大切

レプトスピラ症は、川遊びやキャンプなど自然の中で活動する犬ほど、感染リスクが高まる病気です。発熱や食欲不振といった初期症状から始まり、重症化すると腎不全や肝不全を引き起こすこともあります。

一方で、流れの少ない川や水たまりを避ける、川の水を飲ませない、帰宅後の健康チェックを行うなど、基本的な対策で感染リスクは下げられます。

また、レプトスピラ症ワクチンは感染を予防する手段の1つですが、すべての血清型を防げるわけではありません。大切なのは、愛犬の生活環境やお出かけスタイルに合わせて、獣医師と相談しながら予防方法を選ぶことです。

愛犬の混合ワクチンを接種する際、どのワクチンが正解というわけではありません。何よりも、レプトスピラ症の感染予防に対する意識を高め、愛犬と対策したり健康状態に注意したりすることが重要です。

これから川遊びやアウトドアを楽しむ機会が増える季節だからこそ、レプトスピラ症への正しい知識を身につけ、安全に愛犬とのお出かけを楽しみましょう。

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