『犬の十戒』とは？犬を飼うときの参考書！読んで学ぶ自分行動を詳しく解説
「犬の十戒」という言葉を聞いたことがあるでしょうか？
これから犬を家族に迎えようとするなら、必ずお迎えする前に見ていただきたいものです。
「愛犬を最後まで愛せますか？」
「愛犬の命を最後まで預かれますか？」
そして・・
「愛犬を幸せにできますか？」
幸せは人それぞれ価値観によって違うものです。しかし、犬の一生は人の7分の1ほどしかありません。そんな短い一生を背負い、幸せに導けるならぜひ家族にお迎えしてあげてください。
この記事では、犬を飼うときの参考書として『犬の十戒』を紹介しながら、それぞれ詳しく読み解いて解説します。
- 愛犬の気持ちがわかる
- 愛犬のいたずら予防や代替策がわかる
- 飼い主として自分行動の振り返りができる
犬の十戒の紹介だけでなく、十戒を詳しく読み解いていくことで、飼い主としての自分行動の振り返りにも役立ちます。また、犬をお迎えする際には、飼い主としての自覚を持つための参考書にもなるので、ぜひ参考にしてみてください。
犬の十戒
犬の十戒は、ノルウェーのブリーダーが犬を迎える家族に向けて書かれたものが原詩と言われています。しかし、実際は誰がどのように「犬の十戒」を作ったのかは定かではありません。
愛犬の立場から飼い主へ向けた言葉は国境を超え、世界中の愛犬家に共感と感動を呼び、今もなお親しまれています。
第一戒
私の一生は10年から15年ほどしかありません。
あなたと過ごす時間こそが、私のすべてです。
どうか忘れないでください。
犬の時間は人よりずっと速く流れます。子犬期→成犬期→シニア期まで、毎日が大切です。
- 1日合計15〜30分は「犬だけを見る時間」を確保する。（遊び・ブラッシング・アイコンタクト）
- 年齢ごとの健康プランを用意する。（予防医療、食事、運動量の見直し）
- 長期予定（旅行・引っ越し・出産など）に「犬のケア計画」を必ず組み込む。
第二戒
あなたが私に望むことを理解するまで、少し時間がかかるかもしれません。
どうか根気よく待ってください。
学習には繰り返しと一貫性が必要です。叱責より「望ましい行動を強化」する方が定着します。
- 合図は家族で統一しましょう。（例：座る＝「おすわり」だけ）
- 練習は3〜5分×1日2〜4回の短時間集中でおこなう。できたら1秒以内に褒めましょう。
- 失敗は「環境の整え直し」で予防します。（届く所に靴を置かない 等）
第三戒
私を信じてください。
あなたが信じてくれることで、私は幸せに生きられます。
予測可能な関わりは犬の安心をつくり、問題行動を減らします。
- 生活のリズムをできるだけ一定にしましょう。（散歩・食事・遊びの時間帯）
- 「名前＝良いこと」の法則を守ってください。（呼んだら必ず褒める／叱らない）
- ルールは変えてはいけません。（今日はOK、明日はダメ…を避ける）。
第四戒
私を長く叱ったり、罰として閉じ込めたりしないでください。
あなたには仕事や楽しみがありますが、私にはあなただけしかいないのです。
恐怖は学習効率を下げ、信頼を壊します。問題の「代わり行動」を教える方が実用的です。
- いたずらしそうなら事前に環境管理しましょう。（ゴミ箱に蓋・コード隠し）
- 跳びつきそうになったら「おすわり」を先に指示し、座れたらご褒美をあげてください。
- 留守番は安全なスペースで「クレート＝安心の巣」に育てる（罰に使わない）
第五戒
私にたくさん話しかけてください。
言葉の意味はわからなくても、声の調子であなたの気持ちは理解しています。
身体的な罰は痛みだけでなく、恐怖や攻撃性の誘発につながります。
- 危険行動は「静止→回収→代替」の対応で淡々とおこないます。（例：噛んでよいオモチャに切り替える）
- 望ましい行動の褒め：注意＝5：1を目標にしましょう。
- ストレス・運動不足・痛みが問題行動の根にないか点検してください。
>>愛犬のしつけやイタズラなど「よくある悩み」と対処法を紹介
第六戒
あなたが私にどんな風に接するか、私はそれを一生忘れません。
優しくされたことも、辛く当たられたことも。
毎日の触れ方・声のトーンは、そのまま犬の「人間観」になります。
- 日々のケアはゆっくり優しく丁寧にしてあげてください。（顔周り・足先は特に）
- 家族全員で同じルールと合図を徹底しましょう。
- 叱るよりも指示→できたら報酬の流れを作ってください。
第七戒
私を叩く前に思い出してください。
私はあなたを噛むこともできるけれど、決してしないのです。
犬はボディランゲージで感情を伝えます。（※カーミングシグナル）
- そらす視線・あくび・体を掻く＝「緊張」のサインを学びましょう。
- 嫌がる合図が出たら一度距離をとり、段階的に慣らしてあげてください
- ハンドサインや選択（来る/来ない、触る/触らない）で意思を尊重してあげてください。
※カーミングシグナルとは、犬が不安やストレスを感じたときに、自分を落ち着かせるためのしぐさや行動を指します。（相手を落ち着かせるためにも使います）
第八戒
老いていく私を見捨てないでください。
あなたと同じように、私も年をとっていきます。
シニア期は感覚や筋力が落ちます。生活を「老犬仕様」に工夫してあげましょう。
- 滑らない床・段差スロープ・体圧分散ベッドが必要です。
- 散歩は短く・回数多め、におい嗅ぎ中心で満足度を上げてあげてください。
- 定期健診（少なくとも年2回）、体重・食欲・排泄の記録しましょう。
第九戒
病気になったとき、どうか私を見捨てないでください。
最期のときまで、あなたのそばにいたいのです。
別れは必ず来ます。事前準備が本人（犬）と家族の負担の軽減につながります。
- かかりつけ獣医と緩和ケア・看取りの選択肢を早めに相談してください。
- 当日は静かな場所・飼い主の匂い・やさしい声をかけてあげてください。
- 家族で葬送の希望を共有し悲嘆ケアの時間を確保しましょう。
第十戒
私が旅立つその時には、どうか一緒にいてください。
あなたの声を最後に聞けるなら、私は安心して眠りにつけます。
犬は「いま一緒にいる喜び」を生きています。日常の小さな愛情表現が全てなのです。
- 毎日1回「大好きルーティン」の時間を作ってください。（抱擁、ブラッシング、知育遊びのいずれか）
- 退屈防止に知育トイ・ノーズワークを取り入れてみましょう。
- 写真・足形・思い出ノートで家族の歴史を残しておくこともおすすめです。
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犬の十戒まとめ
犬の十戒から、私たち飼い主は次のことを忘れてはなりません。
- 毎日“犬だけを見る時間”を作る
- 合図は家族で統一・短時間練習を意識する
- 生活リズムを一定にして過ごす
- 罰より代替行動を教える
- 体罰ゼロを徹底する
- 優しい手と一貫したルールを守る
- ボディランゲージを学ぶ
- シニア仕様の住環境や定期健診を欠かさない
- 看取りの準備と穏やかな時間を作る
- 日々、小さな「大好き」を伝える
犬をお迎えする前も、家族になってからも…
これからも、「犬の十戒」を心に留め、飼い主になったときも定期的に見ることで、愛犬に対する自分行動を見つめ直すきっかけに役立ててください。
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